addiction to you~恋はココから始まる~
「…魂ね」
彗は呟いた。
「姫らしい考えだな」
「だって、勝ちたいじゃないですか」
姫は笑顔で言った。
その眩しい笑顔で皆はさらにやる気になる。
姫の笑顔を見て、緑はこんな事を考えていた。
(もし負けて、姫の顔が涙で包まれるのは嫌だ…絶対に勝って笑って欲しい)
静かにそう強く願った。
「新川、何ボーっとしてるんですか?」
姫は緑の顔を覗きこんで言った。
「何でもねー」
緑はそう言って、姫の頭を撫でた。
急に頭を撫でられて、姫は顔をほんの少し赤くしてしまった。
「じっ自分は、子供じゃないんですから頭を撫でないで下さいよ!」
姫は慌てて言った。
「あっ、悪い。嫌だったか…」
「えっと…その…自分はもう、160cm超えたんですよ」
「俺は、180超えた」
「むっ…嫌な感じですね」
姫はムッとした。
そんな姫を見て、緑は可愛いと思った。
「僕も160超えたよ」
彗は言いました。
「本当ですね、あれ?自分より、大きくなってます」
「僕も男の子だからね」
彗は言いました。
「そうでしたね」
姫は笑った。
明日は、体育祭。
Dクラスは優勝出来るのか。