addiction to you~恋はココから始まる~
本当に人間かを疑いたくなる勢い。
「速いのは当たり前ですよ、姫は100mの最高タイム10.02ですからね」
学園長は言いました。
「10・02!?じゃあ、50m5秒台!?普通に、俺より速いじゃん」
「世界記録を楽々出した天才少女。でも、ある時を境にあらゆる大会から姿を消した…」
「それって…如何いう意味?」
「本人に聞いたら如何ですか」
不敵に笑って言う。
姫はどんどんスピードを上げる。
今の順位は2位。
1位はもう、最終走者。
コレさえ抜かせば、Dクラスが勝ち。
でも、差は広い。
「…ハァ…ハァ…」
Aクラスの最終走者の息があがっている。
やはり、3周とかはキツイらしい。
その隙に、姫が追いついた。
「D…クラスの、落ちこぼれが僕達優等生に勝てる訳がないんだよ…」
「やってみなくちゃ、判んないじゃないですか」
姫は静かに言った。
全く息が上がっていない。
本当より走る距離は長いのに。
「結果も出ていないのに、勝てないだの何だの言わないで下さい」