addiction to you~恋はココから始まる~


本当に人間かを疑いたくなる勢い。


「速いのは当たり前ですよ、姫は100mの最高タイム10.02ですからね」


学園長は言いました。


「10・02!?じゃあ、50m5秒台!?普通に、俺より速いじゃん」

「世界記録を楽々出した天才少女。でも、ある時を境にあらゆる大会から姿を消した…」

「それって…如何いう意味?」

「本人に聞いたら如何ですか」


不敵に笑って言う。


姫はどんどんスピードを上げる。


今の順位は2位。


1位はもう、最終走者。


コレさえ抜かせば、Dクラスが勝ち。


でも、差は広い。


「…ハァ…ハァ…」


Aクラスの最終走者の息があがっている。


やはり、3周とかはキツイらしい。


その隙に、姫が追いついた。


「D…クラスの、落ちこぼれが僕達優等生に勝てる訳がないんだよ…」

「やってみなくちゃ、判んないじゃないですか」


姫は静かに言った。


全く息が上がっていない。


本当より走る距離は長いのに。


「結果も出ていないのに、勝てないだの何だの言わないで下さい」



< 99 / 367 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop