虹色の想い
「周!聞いたか?
転校生…女だって!」
勢いよく俺の肩を
叩く芳樹。
「知ってる。」
「冷たいなぁ…」
正直…転校生なんて
どうでもよかった。
どうせ…芳樹を好きになる…
俺には関係ない。
恋をする気もなかった。
キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴り…
先生が入ってくる。
「席につけー
このクラスに転校生が
来た。入って。」
そう言って
手招きした先には…
今まで見たことのないくらい
サラサラの黒髪に…
大きい瞳。
一言で言うと…美人だった。
「橘沙紀(たちばな さき)です。
よろしくお願いします。」
深々とお辞儀をした
彼女に俺は見とれていた。