虹色の想い

休み時間になった時…
彼女が俺に声をかけてきた。

「はじめまして。
田村くん…だよね?
下の名前何ていうの?」

真っ直ぐな彼女の瞳を
俺はどうしても…
見る事が出来ずに
目を反らしながら答えた。

「周…」

精一杯だった。
こんな気持ちは初めてで…
自分でも驚くほどに
緊張していた。

「周…?じゃあ…
周って呼んでぃい?
アタシの事は沙紀って呼んで。」

「ぅん…」

「ぉいっ!」

誰かが肩を叩く。
振り返ると…
芳樹が立っていた。

「何美人さんと
話してんのさ!!」

笑いながら俺の頭を
軽く叩く。

俺は何も答えずに
沙紀を見た。

困惑している様だった。

「ぁ…」

「あのさ!俺…
芳樹って言うんだ!
周とは親友でさ?
仲良くしようよね?」

俺の言葉を遮るように
芳樹は沙紀に近づいた。

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