if イフ
それからは平穏な日が過ぎた。
相変わらずあの夢は見るけど、あまり内容は代わり映えしたものではなかったから、気にならなくなってきた。

そんなある日。
6限で授業が終わり、みんなと帰宅途中公園の横を通り過ぎようとした。
急にまたズキズキと頭痛が起こり、こめかみを押さえて立ち止まると「声」が聞こえた。
ハ・シ・マ・キ・ョ・ウ・コ先生

ハシマキョウコ?誰それ

痛みに顔をしかめながら辺りを見回してもそれらしい人はいない。

一緒に歩いていたカナちゃんがどうしたの?という顔で見ている。
「今誰か読んでいる声聞こえた?ハシマキョウコ先生って」
「ううん。誰の声も聞こえないよ。誰そのハシマ先生って」
「なんでもない。ごめんね。」
私は確信した。あの声は私にしか聞こえていないんだ。

わたしはカナちゃんと分かれてから家とは逆の駅の方へ歩き出した。
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