君のハートにバンド★
「か、榧?」

「おぅ!」



声の主は、私の幼なじみの“香久山榧”であった
何年ぶりだろう?

何年か前までは、髪は長かったのにバッサリ切ったようだ
それに背も高くなった
所謂美形と世間は言うであろう

そんな榧でもでっかいキラキラな子犬のような瞳は健在だ
私と同い年だから今年で19だ
高校二年の時…つまり16歳の時中退したから約三年間会っていないということになる



「凪も随分有名になったな!」



‐苦しいなら捨ててしまえばいい‐



その時私の歌声が原宿全体に響き渡った
はっきりいって自分の目の前で幼なじみに自分の歌声を聞かれるのが素晴らしく恥ずかしい
堪えられない
だが私は堪えた



「ほらっ有名人♪」

「うっうるさい!」

「顔赤いぞっ♪」



榧が私のおでこを指でトンッと押す
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