コンビニラブ
アンは、夜中に買い物に来る時のような、ラフな格好をしていた。


「ごめん。すっかり遅くなっちゃって。」

そう言って、
伸治はソレを差し出す。


「ありがとう。こっちが取りに行かないとなのに。」

「なんか、押しつけるみたいで、悪いなぁ。」

「え?なんで?」

「いや…なんとなく…」

「…コンセント入れるだけだっけ?」

「で、スイッチを入れる。」

「おー。本格的。」

「覚えてる?3通りに切り替えられるんだからな!」

「あ〜!そーだった!」

「なんだよ!涙浮かべて感激してたくせに。」

「この部屋でも、あんなにキレイに映るかな?」


玄関先から、自分の部屋を振り返るアンにつられて、

「大丈夫だろぅ。」

と、伸治も覗き込んだ。


「ちょっと見てく?」

「…うーん…」


自分の傑作品が、アンの部屋の様な、物が豊富に並ぶ壁に、どんな風に映るか、
少し気にもなる伸治。


「取り扱いの説明がてら、はい、どうぞ!」

「じゃ、ちょっとだけ。」


そして、淡々と作業をすると、
アンに部屋の電気を消すように指示をだし、


「良い?いっせーのーせっ!」


部屋が暗くなったと同時にスイッチを入れた。
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