コンビニラブ
食べ終わった食器を洗って、
オーナーの住む最上階のボタンを押すと、エレベーターのドアが閉まった。


すっかり風邪も治り、
そのあと、散歩がてら買い物でもするつまりでいた伸治は、
オーナーの家のドアが開いた瞬間たじろいだ。


「えっと…」

「ども。伯母さーん!バイトの人が来たよ〜!」

「あ、すみません。(この子が親戚の子かぁ?)」

「…伸治は完治?」

「え…あ、はい。あの、若旦那のこと呼びに行ってくれたって…ありがとうございました。」

「やだぁ。なんかあって騒ぎになったら困るから、ただそれだけ!じゃあね!」

「…」


いつもお世話になってる、オーナーの親戚とは言え、
初めての会話でサバサバと言われた、オヤジギャグとイヤミに、どう対処したものか分からなかった。


「あら伸治くん。もういいの?」

「あ、これを返しに。ホントご馳走様でした。」

「はいはい。今日は煮物があるよ!持ってく?」

「いや、これから出かけるんで…」

「あ〜。デート?」

「ちがいますよ!」

「なんだ、さびしい男だねぇ。」

「あはは。」

「…今、出て行った娘、あたしの従兄の子供なんだけど、可愛いだろ?」

「え、まあ。」

「ちょっかい出さないでおくれよ。」

「あは、ははは…(なんだソレ!)」
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