コンビニラブ
自分に、そう言い聞かせる由衣は、

ニコリと微笑みながら手を振り、
家路へと向かった。



そして、気づけば、
自分のマンションの前で立ち止まっている。


一歩も動かずにいる由衣。


すると、ケータイを取出し、
さっきは、押すことができなかった番号を呼び出していた。



「もしもし?」


吉野の声は優しかった。

そんなことは、
今まで何度か話をして知っていた。

だから電話をしたのだろうか?


「あ、あたし、由衣です。」

「ああ。どうした?」

「…自分が連絡くれって言ったんでしょ!」

「そーだけど。…なんかあったからくれてんだろ?」

「…今日、見たよ!あなたと同じ階の女の人!」

「ん?」

「あの人とは仲良いの?」

「待って!お隣さんは男だよ。」

「ウソ!あたしエレベーターが停まるとこチェックしたもん!」

「…あ〜。じゃあ彼女じゃないかな?うちには誰も来てないから、それしか考えられない。」

「ホント?」

「あはは、そんなに心配?」

「…」

「もう少し信じてあげれば?彼氏のこと。」

「別に、信じるも何も…」

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