コンビニラブ
「伸治くん、そんなに良い?」

「だって優しいもん。」

「…誰にでもだったりして」

「そーなの!だからモテそーでしょ!」

「!」

「今まではね、そーでもないヤツが他の女に流れても“この程度の男が、ふざけんな!”って、喧嘩になって終わってた!もともとナンパ男だし、こんなもんだろうって、そんなにショックでもなかったの。」

「確かに伸治くんはナンパしなさそうだよね。」

「しないでしょう!絶対しないよ〜!」

「はいはい。俺に入る余地は無しって感じ?」

「…聞きたかったんだけど、あたしとあなたが似てるって…?」

「ああ、似てると思うよ。」

「どこが?」

「マジで人を好きにならないところ。」

「はあ?」

「これでやっとその理由が分かったよ。」

「なに言っ」

「俺さぁ!…春から、親の仕事の手伝いしなきゃならないんだ。」

「…だから、なに?」

「遠距離ってガラじゃないんだぁ、これが。」

「東京じゃないの?」

「遠い。…ついて来てくれたら嬉しいけどさ、俺も彼女の相手ばっかりしてもいられないし…本命は向こうで見つけるしかないかなぁと思って。」

「今からでも見つければいーじゃん!」

「俺のまわりは、もうムリ!いーなーと思うヤツは、職についてキャリアアップを目指してたり、すでに相手がいたりもするし。」

「他に幾らだっているでしょ〜!」

「あのね、誰でもイーってワケじゃないんです。」
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