コンビニラブ
以前から由衣は、
吉野のアプローチに悪い気はしていなかった。


彼氏として不満はないが、
不安感でいつも気にせずにいられない伸治と

弁が立ち、女慣れしたアプローチが怪しげで
本気にしたら馬鹿を見るだろうと、
気がつけば気になっている吉野。


そんな、
二人の間を揺れている自分に、
軽く酔いしれている由衣は、
それから数分後、
吉野のケータイの番号を押していた。



「ねぇ、どーしてあたしなの?」

「ん〜…打たれ強そうだからかな?」

「なにそれ〜!!」

「それはウソだけど、でも、強いよね?」

「なにが?」

「“気”って言うか“我”って言うか…」

「喧嘩売ってんの?」

「だってアレなんでしょ?」

「なに!」

「親は実家に戻ったのに、自分は生まれ育ったココに残ったんでしょ?」

「何で知ってんの、その話?」

「伸治くん以外に、誰から聞くんだよ。」

「へぇ〜!伸治くん、あたしのこととか人に話したりするんだぁ〜!」

「つか、俺が聞き出したんだけど…君のことが知りたくて!ごめんねぇ、せっかく喜んでるトコ。」

「…」

「あれ?照れちゃってる?」

「な、なによ!そんなことナイよ!だいたいねぇ、あなたのその口調、うさん臭いんだっつーの!」

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