コンビニラブ
「ひでーなぁ。どーしたら信じてもらえるワケ?」

「ま、純粋な人を探すしかないよね。」

「…こんな近くに居るのに?」

「それがうさん臭いって言ってるの!」


嫌われたって、何のデメリットもない吉野とは、
言葉を選ばずに会話がはずむ。


そんなこんなで、つい電話をしてしまう由衣は、
もちろん伸治の前では、
吉野の存在すら曖昧にしている。


今までにない、小悪魔的な気分を楽しんでいた。


そんな数日後のこと…

「あんま、慣れないことしない方が良いぞ。」


突然訪れてきた由衣に吉野が言った。


「伸ちゃんとの約束の時間、ちょっと早めに来ちゃったら、やっぱりまだ帰ってなかったんだもん。」

「マンション内での男のハシゴ、やめてもらえますぅ。」

「あなたはあたしにとって“男”じゃありませんから。」

「俺、自分で言うのもなんだけど、肉食系男子だと思ってるんですが。」

「あはは、笑えるソレ!」

「そーやってごまかす。怖くて試しもできないくせに。」

「自分だって、伸ちゃんにビビってるじゃん。」

「君に合わせてるんです。」

「ウソウソ。結局口だけなんでしょ?」

「何言っちゃってんの?いいよ!こーやって来るってことは、ちょっとずつ俺のこと」

「さて!そろそろ戻ってようかなぁ!」

「待てよ!」

< 143 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop