コンビニラブ
#10
数週間が過ぎ、
鈴虫の鳴き声が心地よく感じられる頃、
すでに、夏休みは終わり、
気持ちを入れ替えなければならない者も、そう少なくはなかった。


あんなことがあってから、
吉野は
由衣とはもちろんのこと、
アンに関しても、一度、嘘の言い訳をひっ下げ謝りに行って以来、
何の音沙汰も無かった。


こんなに近くに住んでいるにもかかわらず、
自分がアンを避けているのだから当然だと、
変に詮索はしなかった。


後になって思えば、
あのアンが、
あんな、一度の嘘の言い訳で、
納得するはずが無かった。


しつこく言い訳するよりも、
あえて
その話題に触れない方が、
よっぽど、ワケありの確信に迫っていることを証言したことになる。



完全に吉野のミスだった。
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