コンビニラブ
このシーズンのドラマも佳境を迎えた頃、

主演を張っていたアキラが、
最終回に向けての番組の宣伝を兼ね、
バラエティ番組に出演しているのを見かけた。


「かわい〜!ドラマとかで見るのと、なんか違う〜!」

由衣はテレビに噛り付いている。


それに嫉妬するワケではないが、
コレが本当にヤツの正体なのかと、
疑った視線でその様子を見る伸治は、
やはり気になるところではあったが、
由衣の前では、必死にポーカーフェイスを気取っていた。


アンの存在を知る由衣にとって、
とれだけ、同じ話題で盛り上がりたかったか…

でも、
つい口を滑らせて、
その情報のルーツを勘ぐられては
自分の首を締めるもの。


ひたすら一人で騒いでみては、
伸治にアキラの話題を振ることは避けていた。


そんな、
以前の激写報道のほとぼりも冷めたであろう、ある日、

久しぶりに、若旦那からアンの運転手を頼まれたため、
明日に控え、一人部屋でゆっくりとくつろいでいた伸治は、
なんとなくつけていた番組にアキラが出演しているのに気がつき、ボリュームをあげた。


はじめは、そのバラエティ番組の趣旨にあったコントを求められ、答えている彼だったが
後半には、今のドラマの話へとなっていった。


《今回のドラマでは、夢のために恋を捨てることができるのか?という…問題に悩まされる役を演じてらっしゃるんですよね!》

と、司会者。
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