コンビニラブ
「あれ?こじれちゃってたりなんかしてる?」

「…前とは違う気がする。」

「あんまり会わなくなったとか?」

「それは、前からだし。」

「会ってても会話がない?」

「んー、ぎこちないって言うかさぁ…」

「だって由衣ちゃんアツイもん。ま、伸治くんへの想いがどれだけのモノなのかは伝わったろうけど。」

「あたしって、重い?」

「それが良いって奴もいるからなぁ…伸治くんはどうか知らないけど、ま、俺はぁ、」

「聞いてないから!」

「だよね。」

「でもさ…変わったのってさ、あたしの方かもしれない。」

「ほう。」

「ちゃんと目が見れないの。だから、わざわざ友達と予定を入れちゃったりして…今は伸ちゃんの方が連絡してくるし、なんだかんだと話かけてもくれる。」

「…きみの彼氏はやさしいな!いいんじゃね?彼氏なんだから甘えれば。遠慮したり気兼ねするのはおかしいだろ?」

「…うん。ありがと。」

「どーいたしまして。ひとつ言わせて貰えれば、安心してここを出て行きたいからさぁ俺。」

「あ。あたしもひとつ聞きたいんだけど、実家って何処なの?」

「父親は東京の人。母親も下町の生まれって…でも、もうこっちに家はないんだ。」

「こっちに無くて、どこにあるの?って聞いてんの!」

「親父の居るとこなら、フランスだけど。」

「…何言ってんのかな?」

「質問に答えただけだよ。」

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