コンビニラブ
「彼女っているんですか?」


思いもよらぬ質問に、

「は?誰がですか?」

「…あははは、ウケるぅ!それマジで言ってる?」

「あ、俺のこと?」

話の趣旨に気が付くのに、時間がかかった伸治だった。


「ここのバイト、何時までやってるんですか?」

「1時…は過ぎてるなぁ。」

「えー、毎日?」

「シフトだから、その月によって違うから。」

「こんどはいつ休みなんですかぁ?」

「…なに?」

「今度飲みいきません?お友達もよんで!合コン…みたいな。」

「…あ、はあ。(マジかよ!逆ナンされたぞオイ!)」

「ダメですかぁ?」

「俺…アキラじゃないけど。」

「え。やだ〜!わかってるしぃ。あはは!って言うか盗み聞きって。」

「あー。丸聞こえだったんで。」

「気になっちゃった?あれ?まさか?!脈アリ?」

「いや〜。」

「あのね、アキラはあたしだから!この子が、えー…村上君ねらい!」


伸治のネームバッチを覗き込む、アキラファンの方が積極的に思った。


「赤外線受信って…」

「ムリッす。バイト中なんで。」

「だよね。」


そして、店内を見渡し、

「カメラがねー。」

と、ふたりは声を揃えて言った。
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