コンビニラブ
「ウッソ〜!別れちゃったの?!」


久しぶりのデートと言うか、
映画を観た帰り道、

ちひろからの電話に出た由衣は、伸治より2、3歩下がって話を続けた。


「なんでなんで?原因は?」

隠すつもりもない由衣の声は、
内容が内容なだけに、
ただでさえ興奮していて、
聞こえてきてしまう伸治は、対応に困っている。


「えー!それひどくな〜い?ちょっと〜!………そーだよ!別れて正解!……いーよいーよ、そんなこと気にしないでいーんだって!ちひろが我慢することないんだから!」


話の流れはだいたいつかめた。


こういった時の女同士の結束は恐いくらいだ。


「ちひろ、大丈夫なの?」

雲行きが怪しくなってきた。


「うん。おいでよ!いくらでも話し聞くよぉ!」


二人で向かっている由衣の家に、どうやらちひろがやって来るらしい。


電話を切ったあと、

「今からちひろが来るって言うんだけど、いい?」

すでに決定していることを尋ねてくる由衣に、

「なんか深刻そーだな。」

と、話をふってやると

「うーん。彼氏と別れちゃって、なのに強がってるみたいでさぁ!」

決して“ダメ”とは言えない状況へと追い込まれていった。

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