コンビニラブ
そして、

『ひとつはお父さんに貰ったんだって言ってたよ。』

その件だけ返事をすると、

『でも、あの店はあっちには無いよね?お父さん来たんだぁ?!伸ちゃんも会ったの?』

『まさか!まだそんなんじゃないし!前に貰ってたのに、ずっとつけてなかったんだってさ!』


………ちひろからのメールは途絶え……………しばらくしてから

『そーなんだぁ。見たことなかったし、部屋に、まだ包装紙があったから、最近貰ったのかと思ったよ。』

その瞬間、

伸治の身体中を、いつになく熱い血が駆け巡った。


ちひろの返信が遅れた理由は分からないが、
その短い時間では結論の出ない、幾つかの考えが頭を過る。

まさか、
裏切られたとは思いたくはないが、
たとえ、そうだとしても、
その理由は自分にあると、考えてみたりする伸治。


でもそれは、ちひろの思惑とは違っていた。


由衣の部屋のごみ箱の中に、
まだ真新しい包装紙を、
二枚、見つけてしまったちひろは

次に由衣と会った時、
その胸元に、
伸治からのとは違うネックレスが光っていたのを見逃さなかった。


その時、女ちひろはピンときた。


(コレ、誰に貰ったんだろう?)


ちひろは、カマを賭けて確信したうえで、
伸治に信号を送っていたのだった。
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