コンビニラブ
さすがの伸治も、疑心暗鬼になっていた。


ある朝、エレベーターを待っていた伸治の前に
突如、アンが現われ、

「おっ!と…おはよ。」


閉まりそうになった扉に、
伸治が手を入れて開け直したとき、
一緒に乗っていた女性が、アンの前に身を乗り出した。


「あ〜大丈夫!この人が伸治くんだから!」

「あ、ども。ご一緒してもよろしいでしょうか?」

「何言ってんのぉ。早く入って!」

「すんません。」


扉が閉まり、エレベーターが下がりはじめた。


「…どう?彼女とはウマくいってる?」

「…まあ。」

「あれ?どうしました?」

「別に。」


そうこうしてるうちに、一階に着き、扉が開く。


マネージャーが先に降りて、
アン、伸治の順に外へと出た。

その時、

「もしかして、なんか知ってる?」


伸治の投げ掛けに、ゆっくり振り返るアン。


「だって変だよ!あんなことがあったのに、自分のことより俺のことなんか心配してさぁ!」

「…。」

「何を知ってんだ?」

「それはさぁ、本人に聞いてみたら?」


その瞬間、アンは無意識に上を見上げてしまっていた。

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