コンビニラブ
別に、下心があったワケではなかった。


それは次のバイトの日、

週末だったこともあって、店内はガヤガヤとしていた。


特に、男だけの5、6人の集団が来て、ふざけて罵倒し合ったりしている時、
つい、神経がピリピリしてしまう。


彼らが、用を済ませて出て行くと、
静けさの中に、安心感がたち込めた。


(ふーっ!あと20分。今日も何事もなく終わりそうだな…)


ふと売場の方へ足を向けたとき、
一人、男性客が居たことに気が付き、ドキッとした。


(あせった〜!居たのかよ〜!)


店内を見渡したフリをしてみせ、陳列作業をはじめた伸治は、
その客の挙動不振な様子が気になった。


雑誌売場の前に立つその男は、
なんとなく、伸治に背を向ける様に、少しずつ自分の立ち位置をずらしている感じが見てとれた。


(なんだ?まさか万引きじゃねーよなぁ?)

気になった伸治は、今度は雑誌を整えるつもりで近付いてく。

すると男は、
慌てて雑誌を棚に戻し、他のモノに手を伸ばした。


(あ〜、エロ本かぁ。…あ、まさか!?)


それからしばらくしてから、ビールを買って男が出て行ったあと、さっきのエロ本を開いてみると、
案の定、
袋とじが破られていた。


(脳にインプットかよ!納得いかなかったのか?やだね〜!あぁはなりたくね〜な〜ホント。)
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