コンビニラブ
(吉野くん?)


伸治は吉野の部屋の窓を、ボーっと見つめた。


マネージャーが運転するクルマに乗りこんだアンは、
そんな伸治に気がついた。


「ねー!駅まで乗ってく?」

アンのその声は届いたのか?


同時に、マンションのドアの向こうへ、伸治は姿を消したのだった。



(もし、あの二人に何かアルとしたら…)


あのネックレスは、
吉野が由衣のために選んだモノということになるのだと、
伸治は気がついた。


そして、
それを身につけては喜んでいた、由衣の顔が思い出され…


伸治は、震える手に力を込め、
チャイムを押した。


「はい?」


何も知らずに顔を出す吉野に、

「いつから?」

「?なに?どーしたの、こんな朝早くに」

「とぼけるなよ!!」


伸治は胸ぐらを掴み、喰ってかかっていった。


玄関先に倒れ込む二人だが、
吉野は抵抗しなかった。


それが、いっそう伸治の感に触り、

「なんでだよ〜!!」


気づけば、一発殴っていた。

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