コンビニラブ
「待ってくれよ伸治くん!」

「それは俺が言いたいよ!どーゆーことなんだよ、いったい!!」

「違うんだ!何も無いんだよ!」

「あぁ〜!!」

「ホントだって!全然本気にしてくれないんだ。」

「ふっざけんなー!!」


伸治は、何発殴ったのだろうか?

ヘトヘトになって、吉野の部屋を後にした。


そのまま大学に向かった伸治は、どこをどう歩いたのか覚えていない。

とは言っても、
通い慣れた道だけに、どこかに迷い込むこと無く、
気付けば門の前に立っており、

そこでやっと身だしなみを整え、大きく、ため息をひとつ吐くと、携帯電話を取り出した。


もちろん相手は由衣で、
すでに留守番電話になっていた。


「あー。俺です。…黙ってたことがあるんだけど…あのネックレス、選んだのは…吉野くんなんだ。…ごめんな、由衣。俺たち別れよう。」


そして、電源を切る伸治。


そのあと、由衣から電話が来ることはなかった。


伸治のメッセージからは、
“吉野が選んだ、そのネックレスを身につけていることすら、許せない”
と読み取れた。

しかし、

もう一つのネックレスこそ、
吉野から直接渡された、
今年のバースデイプレゼントだったのだ。


ずっと罪悪感を抱いてた由衣は、悲しさの反面、
解放感にも見舞われていた。
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