コンビニラブ
「どうしたの?」

「…なんか、落ち込んでるのかと思って。」

「え〜!やだ、考え過ぎだよ伸治くんは〜!」


アンは笑いながら、伸治の肩を軽く押した。


「…なら、良いけど。」

「うふっ。ありがと。」

「や、やっぱさ、どうせなら近くで見たいよなぁ!神奈川ならどこが一番良くみえるかなぁ?」


伸治は誤魔化していた…
やはり、アンのことが気になることを!

そして何より、

東京に来なければ、
アンと会うことも無かったと、
自分が一番実感している伸治は、

心のどこかで、
アンにも“同じ様”に、思っていてもらいたかったのだ。


それは決して、
“気持ちが伝わってほしい”
とか、
“自分に気がついてほしい”
とか、
自分本位のものでは無く、

純粋な気持ちからくるものだった。


そう、
伸治はまだ気付いていない。
いや、
あえて、目覚めないようにしているのか?


由衣にしても、吉野やちひろや、それ以外の人達とも、
こっちに来てから、
たくさんの出会いがあり、
いくつかの別れもあった。


それらを経験したうえで、
強く感じることがある。


伸治は、アンとの今の関係を
壊したくなかったのだ。
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