コンビニラブ
「ふーん。」

「なに?」

「ちひろ、逃がした魚は大きかったかもね〜。」

「…」

「そんなの気にしなくていーよ!」

「でも、」

「それよりも、檜垣とダメだった時、伸治くんのとこ、駆け込み寺にくるかもよ〜。」

「え。」

「女って、そーゆーもんだから!そん時のこと、考えておいたほうがイーかもね!」

「考えるって…」

「あたしはぁ……伸治くんの思ったとおりにすればイイと思うよ!」

「…(それはどっちに解釈すればいいんだ?さっきのキスは腹いせだったのか?それとも、同盟のような、なんだかの契約のキスのつもりなのか?ふたりは友達なんだよなぁ?)これだから女はコエ〜よなぁ。」



檜垣は何も言ってこないが、
ちひろからの電話で、
二人がどうなっているのか予想がついた。


ハッキリとは言わないが、
檜垣のことを、何気なく聞いてくるちひろは、
檜垣のタイプではなかったのだろう。

連絡先は教えていないようだ。


これに同情する伸治ではなかった。


かと言って、伸治を利用しようと企んでいるようには見えないちひろを
なんとかしてやろうとも思えなかった。


由衣の忠告があったおかげか?


でもその忠告が、自分に寝返ってきた時についてだと想定していたことに、少し恥ずかしい伸治だった。
< 24 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop