コンビニラブ
「わからないよ〜。そのうち、“やっぱり伸ちゃんがイイ!あたしやっと分かったの!”な〜んてくるかもよん」


バイト時間にやってきては、他の客がいなくなったのを見計らって、
レジのそばの商品をいじりながら、
時折、伸治の方を振り返り振り返り、
由衣は話し掛けてくる。


「俺、知ってる奴となんかあった子とは…ナイな〜。」

「え〜!それ、難しくない?だって、学校って知ってる奴ばっかじゃん!」

「いろいろ知りすぎた奴ってこと!檜垣は友達だからさぁ。」

「“兄弟にはなりたくない!”って感じ?そこが女と違うとこだよね〜。」

「なんつーことを!」

「ね、なんならあたし達、つきあってみる?」

「え?」

「そしたらちひろ、どーなるかな?負けずにアプローチしてくるかもよ!」

「…君達は友達なんだよね?」

「あたしはちひろの引き立て役なの!昔から!」

「…」

「って言っても、あたしが勝手にね!頼りなかったり、あぶなっかしいの見てらんないんだよね…頼まれてもいないのに。」

「なるほど。」

「ほっとけなくてぇ!」

「暇人。」

「なによっ!」

「だって何してんだよ。こんな時間に。」

「あー。だから言ってるでしょ!頼りない奴をみてらんないって!」

「それはどーも。とりあえず、もうすぐ交替だから待ってろ!送ってくから!」

「大丈夫だよ、近いんだから。」

「あそこの路地、ちょっと見通しワリーじゃん。」

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