コンビニラブ
「そう?」

「ほっとけないんだ!」


由衣はドキッとした。


「女の夜道一人歩きは!」

「なーんだ。告られんのかと思っちゃった。」

「…それはないな。」

「紳士ぶっちゃって!送りたいならそー言えっつーの。」

「は?」

「なんでもな〜い。」


そして飲み会以来、二度目の、由衣のマンション前までの訪問となった。


「あがってく?」

「理由がない。」

「送ってくれたお礼。」

「たいしたことじゃないからイイ。」

「ふーん。」

「…やめとけよ。意地張るな。」

「?」

「ちひろちゃん、とっくに傷ついてると思うから!」

「あははは。そんな気ないよぉ!言ったでしょ!ほっとけないって!…ちひろもあんたも。」

「俺も?」

「本当はどーしたかったの?ちひろのこと。」

「別に。」

「…つまんない男!おやすみ!」


由衣はドアの向こうに姿を消した。


確かに、ちひろとどうにかなろうと意気込みがあったわけではなかった。

でも、自分を変えなきゃいけないと思ったことは確かだ。

そして、思いがけず
由衣とキスを…

(そうじゃん!アレこそなんだったんだよ!)
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