コンビニラブ
「いらっしゃいませ〜。」

ドアが開いた途端、
伸治の元へと勢い良くやって来たのは
ちひろだった。


「っと!」

「なんで返信くれないの?!」


まだ10時を過ぎたばかりのコンビニには、それなりの客足があった。


「ちょちょちょっ!」


キョロキョロとまわりを見渡し、レジから出た伸治は、
もう一人のバイトに

「ごめん!頼む!」

といったジェスチャーをしながら、
ちひろの手を引き、店を出た。


「あたしに檜垣くんをあてがえて、うまくいったと思った?」

「はぁ?」

「そーすれば由衣と、気兼ねなくつきあえるから?」

「なんだそれ?」

「本当はいつから?」

「なにが?ちょっ、あのさぁ、今はマズイんだよなぁ。とりあえず、由衣ちゃんと話してきたら?ここまできたんだから。ね!」


そう言って、伸治が由衣の家の方を指さすのを、ちひろは見逃さなかった。


「行ったことあるの?」

「え…前までだよ。」

「うそ!いつ?なんで?」


いい加減、イラっときた伸治は、

「そんなの!君が檜垣と帰ったからだろ!」

今まで、ちひろに責任を感じ、後ろめたかったことなど、どうでも良くなっていた。

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