コンビニラブ
「ういーす。」

「あ、ども。」


同じマンションの住民の
大学院生の男がやってきた。


「パーティーかなんかっすか?」

「買い溜めだ。」

「さすがリッチっすね。コンビニでビールって、スーパーで買った方が安いのに。」

「商売っ気ねーなー。」

「僕の店じゃないんで。」

「大家さんに貢献してるってワケですよぉ。」

「なるほど。」

「伸治くんこそ、よくやるよね。」

「…ものぐさなだけです。」

「ふ〜ん。じゃ!」

「ありがとうございました。」



伸治の予感は的中した。

バイトのシフトから外れていた日

インターホンが鳴り出てみると、そこには奥さんが立っていた。


「どーしたんすか?」

「伸治くんにお願いがあるの!」


次の日、アンのことを、現場まで送るよう頼まれたのだ。

しかも早朝…。


たまの休みくらい、ゆっくりしようと思っていたのに、明日に備え、早々と眠ることとなった。


これから先、こんな生活が続くのかと思うと、引っ越しも考えなくもないのだが、
そう簡単にはいかないし、
行動しようものにも、色々と面倒臭い。

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