コンビニラブ
「これからバイト?」

「いや!買い物に。」

「そんなに近いの?家!」

「あれ?言わなかったっけ?家、この上なんだよ。」

「え!」

「あ!でもそれ、ちひろちゃんには〜」

「ちひろ、しつこいの?」

「今は全然なんだけど…」

「…あたしには知られてもいいんだ?家!」

「つい、ポロっと。」

「ま、これでおあいこだね!あたしんちだってバレてんだから!」

「…」

「立場が違うか!」

「だって、爆弾とか仕掛けないでしょ?」

「あたしはね。」

「ちひろちゃんは…どんな感じ?」

「今はまだアレだけど、ま、そのうち、メールとかくるよ!いつものことだから!」

「いつも?」

「気が多くてね!モテるのも確かなんだけどさ!」

「…あ!アキラのドラマ、観ないの?」

「留守録してるから!」

「ロケ現場行った?」

「行った行った!」

「今日のシーン、俺の知ってるとこが使われてたよ!」

「マジ?どこ?!」


しばらく話し込んで、チューハイは伸治の手の中で温くなっていた。


あの日の返事も催促されることなく、
ロケ地を聞いた由衣は、今日の録画分を観るのを楽しみに帰っていった。


伸治も、胸のつかえが取れた気がしたようだった。
< 45 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop