コンビニラブ
伸治は、前に風邪を引いた時、
オーナーから貰っていた薬を由衣に渡した。


「大丈夫?」

「うん。」

「食うもんとかあるのか?」

「なんとか。」

「気を付けろよ!」

「ありがと。」


家へと戻って行く、由衣の頼りない後ろ姿を見送った伸治は、
その後も、気になって仕方がなかった。


バイトが終わり、部屋に戻った伸治は、とっさに携帯電話を手にしてから…あることに気が付く。

(そうだ。知らないんだった。)


伸治は、由衣とはメールアドレスの交換をしていなかったのだ。


(ちひろちゃんには聞けないよなぁ…)


時計は、1時15分を回っていた。


「寝てるか〜。寝るのが一番だもんなぁ。」


そう自分に言い聞かせる様につぶやいてみるものの、気になって落ち着かない。

すると、
携帯電話と財布を持って、電気を消し外へと出て行った。


そして店へ入っていき、

「うぃーす。」

ドリンクと栄養補給剤と冷凍のうどん、レトルトの粥を手にレジに出した。


「あれ?具合悪いの?」

若旦那が心配そうに聞いたが、

「いや、友達が。」


学習している伸治は、余計なことは言わない。

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