コンビニラブ
「やさしいなぁ」


照れた顔を隠しながら、冷静にお釣りを受け取り、ゆっくりと店を出る。


その足取りは序々に早くなっていき、
由衣のマンションの前に着くと、軽く息を整えた。


部屋番号を押し、インターホンを鳴らしたが、しばらく反応がない。


(やっぱ寝てるか。)

と、その時…

「はい?」

不安気な由衣の声が耳に入ってきた。


「あ〜!村上だけど!」

「え!何?どーしたの?」

「なんか必要かなぁと思って。」

「え、あ、上がって!」

「お、おう。」


由衣が開けた、その扉をくぐった伸治は、
その夜が明けて、しばらくするまで、
自分の部屋には帰らなかった。
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