コンビニラブ
なにがあったワケでもない。


由衣が風邪をひいた夜、
必要な物を揃え、訪れた伸治は、

「いいから寝てろ。」

と、自分が起こしたにもかかわらず、由衣をベッドに横にさせた。

そして、買ってきた物を見せ、説明すると、

「ちひろ以来、はじめての来客だ。わくわくしちゃって寝付けそーにないや。」

とか言いながらも、
熱と薬のせいで眠りについた由衣を見届けてから、

冷蔵庫に、買ってきた物をしまいはじめた。


「なんだ、飲みモンありまくりだなぁ。」

ならばと、
自分が買ってきたドリンクをとり、キャップを開けてゴクゴクと喉を潤したあと、
目に付いた可愛らしい椅子に、ちょこんと腰掛けた。


一息ついて、冷静になってみれば、
今、自分が、無防備に眠る女の子と、部屋に二人きりだということに気づき、
なんとなく自然と背筋がのび、まわりを見渡した。


そこには、伸治には分からない、ガチャガチャとした小物が色々と飾られている。


そんな落ち着かない状況で、
その椅子でうたた寝をする、浅い眠りの中、
朝の日差しに目を覚ますと、
そろそろ、6時になるところだった。


ゆっくりと立ち上がった伸治は、そっと由衣に近づき、額に手をあててみる。


「ん?下がったかな?」


するとキッチンに向かい、
音をたてないように気を使いながら、うどんを茹ではじめるのだった。

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