コンビニラブ
はじめての二人での食事は、
道のりを含め、
伸治にとって、
次へのエネルギー補給タイムでしかなかった。

が、

自分の伸治への気持ちに気が付いてしまった由衣にとっては、

今後の進展にかかわってくる、
重要な時間だった。


もくもくと、口に頬張る伸治と、
変に意識して無口な由衣。


ただ、そんなときでも、
ちひろの話題を避ける二人は、
見えない何かで繋がっているとでも言うのだろうか?


そう、二人は“ちひろ”と言う“独り”の女で繋がっていた。



「今度さ、…どっか、遊びにいこ!」

「…どっかって?」

「だから…たとえば、映画とか、ボーリングとか、ディズ」

「それはデートってこと?」

「…」

「ってことは、俺らは、そーゆーことになるわけか?」

「てか、そーやって…二人が、あってるかどうか分かると思わない?」

「なるほど。」

「え?じゃあ、いーの?」

「…俺、そんなに崇められる様な人間じゃねーよ。」

「…だって…」

「俺も、しばらく行ってねーなぁ、そーゆーとこ。」

「!」

「そろそろ行こっか。」


伝票持って立ち上がる伸治。
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