コンビニラブ
「お邪魔しまーす!へー、綺麗にしてんじゃん!」

「つか、なんもないだけでしょ。」

「確かに!ヨッシーの家とは大違いだね。」

「だな。」

「あの人って謎だよね?」

「…そう思うなら、ふつう行くか?」

「悪い人じゃないし。」

「わかんないだろ。…こーやって男の部屋に入り込んだり、簡単に男を家に入れたり…気を付けたほうがいーぞ。」



シャツを着ながら注意する伸治をジッと見て、

「お兄ちゃんみたい。」

と、アンは言った。


「兄貴いんの?」

「いない!でも、いたら、こんな感じかなぁって!なーんか、安心してトイレが借せれる感じ?」

「…どーせ俺はいつも、そんなんですよ。」

「昨日の彼女は?」

「…同じ感じだよ多分。」

「あれ〜!今日は否定しないの?“彼女じゃありません”って!」

「学習したと言ってくれ。」

「ね!昨日の人は、この前の泣きべそ彼女?」

「違います。」

「ヒュー!お盛んですこと!」

「そのままその言葉、お返しします。」

「は?」

「噂のアキラ君。」

「…」


何か言い返してくると思ったアンが、
目をパチクリさせ、黙り込むのを見て、
この話題は禁句なんだと気付く伸治だった。

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