コンビニラブ
「何事も経験だよ。経験!」

「はぁ。」

「だから、例の彼女とも、つきあってみれば?」

「え?!」

「付き合ってみてから好きになることだってあるんだし、やっぱり違けりゃ別れればいい。」

「それじゃ悪い気がして…つーか、俺がフラれるかもしんないし!」

「ただ断るのも悪いと思うよ!相手のこと何も知らないのに…あ、それとも好きな子でもいるの?」

「いないです。」

「…なーんか、中学生レベルだな。」

「!すみませんね!」

「あはは、とにかくさ!何よりも一番なのは、一緒にいて普通でいられるってことだよ!我慢したり、すごく頑張ったりは良くない気がする。だって、恋愛なんだから。」

「なるほど。」

とそこへ、

「なにがなるほど?」

二人の間に、アンがひょっこりと首を突っ込んできた。


「で、なに買った?」

「あ〜、さっきのスタンドライトと、入浴剤と、あとコレ!新しい香りに挑戦しようと思って、」

「お〜、キャンドル?」


そんな二人のやりとりを見て伸治は思う。
この二人こそ、価値観が一緒なのではないかと…


(アキラと居る時のアンは、どんな感じなのかなぁ?なんなら吉野くんとくっついちゃえば良いのに…)


あの日のアンの表情が頭をよぎってしまう伸治は、
なぜか、その方が安心できる気がした。



「ねぇ、買って帰る?」

そんなアンが指差す先に、テイクアウトできるコーヒーショップが見え、三人は向かうことに。

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