コンビニラブ
新しく入ったバイトの男の子が紹介された。


「よろしくお願いします。」

「よろしくぅ。」


これで、伸治の今年の夏も、もう少し充実するというものだ。


来月のお給料はいつもより期待できそーだし、
なんだかんだ、
順調にコトが運ばれていった。



「残念だったなぁ、バイトくん、男じゃつきあえないもんなぁ。」

「出会いはどこにでもありますよ。」

「そーですか。ま、がんばってくれたまえ。」


少し浮かれているのか、調子にノッているようにも思える伸治。


そして、以前のシフトに戻れることとなり、
さっそく由衣に連絡を入れた。



海に行くほど、まだ深いあいだがらでもないふたりが、
その日、何の映画を観るかで気が付いた。


(どんなジャンルの映画が好きなんだ?やっぱ、コメディが無難かなぁ…あんまりシリアスなのも…つーか俺、由衣ちゃんについて知らないことばっかだ!)


ちひろという友達がいて、アキラという俳優が好きな、近所に住む女の子。


(なんで一人暮らししてんだっけ?前の合コンで、東京育ちって言ってたよなぁ…。)


「じゃあ、コレにしよっか!」


由衣は、伸治が一番最初に言った映画のタイトルを指差した。


それは、数年前に読んだ漫画が、実写化されたものだった。
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