コンビニラブ
「…ホントに何にもないんだねぇ!」


入った途端、由衣が言った。


「はっきり言って、寝に帰るだけの部屋だから。」

「大学生のくせに、勉強しなくて良いのぉ?」

「おまえの部屋だって、気が散って勉強って感じじゃねーじゃん。」

そう言って、
冷蔵庫の中から缶コーヒーを出して由衣に渡す伸治。


「料理とかするの?」

「この部屋に来てからはあんまり。」

「そーなんだぁ。やっぱり会う時は、うちの方が色々揃ってて良いかな!」

「うちだって、何でも揃うコンビニが下にありますけど。」

「このコーヒーも?」

「今、俺一押しの商品ですけど、なにか?」

「あはは。じゃあ、買い置きしとくよ!」

「よろしく。」

「さてと、帰るかな!」

「あ、もう?」

「うん。バイト頑張って!」

「あぁ。」


一緒に出ようとする伸治に、

「あ、ここでイイよ!じゃね!」


まるで、何かをチェックしたかのように、由衣は出て行った。


マンションの扉を開けた時、

「あれ?」

ちょうど吉野と出くわし、

「あー!どーも、こんにちわ!」

嬉しさを隠せないと言った態度であいさつをする由衣。

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