コンビニラブ
「へー。そーゆーことになったんですか?」

吉野が尋ねると、

「はい!」

とびきりの笑顔で答えた。


去っていく、その後ろ姿を見送った吉野は、

「伸治くん愛されてんな〜。」

と、感心しながらドアをあけた。


自分の部屋の前に立ち、鍵を取り出しながらひらめいた。

「アンちゃんに報告しとくか。」


インターホンを押し、しばらく待ってみたが反応がなく、

「いないのかぁ?」

引き返そうとしたとき、
鍵を解除する音がした。


「はい。」

「ごめん!寝て…た?」


アンのその目は赤く、泣いていたのがわかったのだが、

「ううん。テレビ観てて、ちょっと感動してた。何?」

騙されておいた。


理由は分からないが、
こんな時、人の幸運話など聞きたくもないだろう。


「休みは実家に帰るの?」

「分からないなぁ。」

「なら、また3人でドライブにでも行こうよ。」

「うん。」


そして、
部屋に戻った吉野が、まずしたことは、
パソコンで芸能情報ページを開き見ることだった。


「あ…これか〜…」


『アキラに新恋人か!?』
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