コンビニラブ
次の日の試合には、由衣も応援に来てくれた。


メンバーも察知していたようだったので、わざわざ“彼女だ”と紹介はしなかったが、
極数人、冷やかしに来るものには、かるく紹介をする伸治。


試合が始まり、ボランチとしての役割を懸命にこなす伸治を、由衣が解っていたのかどうか定かではないが、

引き分けで終わった試合のあと、
バイトを理由に打ち上げに不参加だった伸治のことを、

「次はゴール決めて、おいしいビールが飲めると良いね!」と、

慰めたつもりにも思える由衣に、ルールの説明をする余裕もないほど伸治は疲れていた。


「この後どーするぅ?」

「とりあえず飯食おう。ファミレスで良い?」

「いいよ!」

「ちょっと休みたい。いつでも眠れそ。」

「じゃあ、うちに来る?」


由衣の言葉に、深い意味があったとは思えないが、

「でもバイトもあるんだよなぁ、今日。」

「休んじゃえば?いつもがんばってんだから1日ぐらいさ!」

「でも、色々世話になってっから…」

そこでハッとした。


伸治も悪気はないのだが、
前もこうして、彼女から別れを告げられたことを思い出したのだ。


「由衣ちゃんの部屋に二人でいて、休むどころじゃなくなっちゃってもさぁ〜。」

「何言ってんの〜、もう!」

「ふっ、ごめん。」

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