コンビニラブ
「どーかな?ちょっと雲ってるからなぁ。」

「そっかぁ。」

「それに地方でも、今は昔みたいには見えないんじゃね?」

「伸治くんちの方でも?」

「なにそれ?対抗してるわけ?」

「だって、富士山からならすごいんじゃないの?」

「って聞くね。でも俺、頂上登ったこと無いんだよなぁ…」

「えー、県民なのに?」

「…つーか、あれは日本の宝だろ。外国人が“日本人は皆マウント富士に登ってる”って思ってるか?」

「あはは、じゃあ、ネパール人はエベレストだな。大変だぁ。」

「そーゆーこと!富士は日本一の山だぞ!」

「箱根の山は天下の険ですけど!」

「…はぁ?!だから〜?!なんですか?!!!」

「あはは、今回は伸治くんの勝ちだよ、アンちゃん。」

「ふんっ!こんなヤツに〜」

「くそっ。」

「星なら冬の方が良く見えたよな。」

「そっかぁ…」


一瞬、車内が静まり返った。


「あ。」

「なに?」

「なのに、織り姫と彦星は夏に会うんだ…?」

「だって、あれは試練の話だから、わざわざ夏の大三角形で例えてるんじゃないの?」

「あ!あ〜…」

「今度は何?!」

「平塚の七夕祭り、終わってたなぁって…」

「とっく!」

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