コンビニラブ
ふと、夏祭りらしき提灯がぶら下がっているのを横目に、
数時間前は多少の賑わいをみせていたものと思わせる祭りあとの町並みを走りぬけ、
さらに、
人影の少ない、ゆっくりできる場所を求めてクルマを停めた。


三人でベンチに腰掛け、
湖を眺めながら、ちょっとひと息。


「伸治くんお疲れ〜!」

「知らない道じゃないから、なんとか。」

「…せっかく来たのに、星、あんまり無いね〜。」

「また今度来れば良いじゃん。ま、プラネタリウムのようにはいかないだろうけど。」

「プラネタリウムかぁ…行ってないなぁ。てか、人混みに行ってないや、あたし。」

「行けないだろ?」

「そんなことないよ。バレないし。」


伸治は、由衣から聞いた“三流”話を思い出した。


「でもさ、こっちに友達っていないしさ。」

「モデル仲間は?」

「いるけど、皆忙しいし。」

「やっぱ皆、ライバル意識バリバリなわけ?」

「って言うか…あたし向いてないみたい!」

「…」

「動機が不純なの!男にフラレた腹いせだから!」

(それも聞いたことあるなぁ…。)

「今思えば、大学見つけてから出てくれば良かったよ!そしたら友達も出来たのに。」

「そっか〜。」

「モデル辞めて受けてみようかなぁ、大学。」

「辞めることはないんじゃん?」

「う〜ん。」
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