コンビニラブ
「俺は、東京の夜景にはビックリしたなぁ、やっぱ!」

「へー。」

上手く話をそらすことが出来たと思っていた伸治。

「京浜島って言ったかな?飛行機の離着陸が見えて、奥には川崎の工場があって」

「あ〜、つばさ公園ね。あそこはキレイだよなぁ。」

「知らな〜い!行ってみたいな〜!」

「あれれ、吉野くん、そこならもっと近くて済んだよね?」

「だよね。誰がココって言ったんだっけ?」


二人は目を細めてアンを見つめた。


「はいはい。あたしですよ。すみませんでした。」



でも、ココだったからこそ、アンの今の心境が聞けたに違いない。



本当にただのドライブになってしまった帰り道、

助手席で吉野は眠ってしまっていた。


後部席から身を乗り出すようにして、伸治に話し掛けてくるアンは、
ひょっとしたら気を使っているのかもしれない。


「疲れない?寝てていーぞ。」

「全然!いつもまだ起きてるし!」

「大変だよなぁ。そりゃ、イベント事になんか行けねーよなぁ。」

「…ありがとね。」

「いいよ、別に。」

「違くって!…知ってんでしょ?アキラのこと。」

「…」

「だから今日、」

「これは吉野くんの計らいだから。」

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