コンビニラブ
最後にアンは、
星が見えなかったことだけを残念がりながら、
部屋へと帰っていった。


そんなアンが話していたことを、
もう一度、インターネットで検索してみると、
その言われ様に同情するほかにはない伸治。


すると、ふと目にしたページに、
アンの誕生日を見つけた。


(あれ!もーすぐじゃん!)


カレンダーを見て、指折り数えながら、
伸治は、何か思いついたようで…

次の日から
伸治は、その思いついた何かを実行していた。


何やら買い物に出掛け、

由衣からの電話の内容も、
分かっているのかいないのか…?


一つのことやりだすと、夢中になってしまうのが伸治の特性だった。


シビレを切らした由衣は、
とうとう、マンションまで押し掛けて来る始末だ。


「何コレ〜!?」

部屋に一歩踏み込んだ由衣の顔は歪んでいた。


それもそのはず、
工具やら導線やら、電気関係の細かい物が、あちらこちらに散らばっているのだから。


「ごめん。今こんな感じで…なんかあったっけか?」

「大学の課題か何か?」

「まぁ…そんなとこ。」


彼女のことを後まわしにして、
“友達のために”とは、
さすがに言えるはずがない。

< 91 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop