コンビニラブ
アンの誕生日に間に合うよう、作っていた何かは、

「ふ〜!…完成。」

二日前にできあがった。


「誕生日は予定入ってるよなぁ…ま、過ぎてもいっか!」

ひとり言を言いながら、
レポート用紙にメッセージを書きはじめる伸治。


『ハッピーバースデイ!
きみに見てもらいたいものがあります。
夜に、空いてる時間があったら、ちょっと、我が家へ顔を出してみてください。   村上伸治。』


簡単に折ったその手紙は、
伸治がバイトで下におりた時、
アンの部屋番号のポストに投函された。


とりあえず達成したことで、
急に気力が抜け、
その脱力感は、翌日、まる一日、伸治の体に襲い掛かった。


由衣も、課題のレポート作成が、ようやく軌道に乗りはじめたらしく、
邪魔できないことを良いことに、
のんびりとした時間を送る伸治。


掃除、洗濯を済ませ、
コンビニで調達したモノで食事をとりながら、
バイトの時間まで、
漠然とテレビを眺めていたとき…


『アキラが、あの女優と焼肉デートですか!?』


突然耳についた話題に、
ついつい、ボリュームをあげていた。


「おっと…この間のアイドルとはどーなったんだぁ?」


テレビ内でのコメンテーターは、

『モテますね〜!可愛いですもんね〜!ま、ほっとかないですよ!』

自分にも脈がありそうに、嬉しそうに語っていた。
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