コンビニラブ
遠回しに、“いらない”と言われた気がした伸治だったが、

「あ、そーだ!あたしケータイ持ってきたんだ。」

「え?」

「交換しよ!」

「…」

「また見たくなったらメールする!」

「(そーゆーこと?)便利に使われるだけのような気が…。」

「いーから、いーから!」

渋々、ケータイを取り出した。


「もうちょっと嬉しそーにしたらぁ。モデルのアドレスゲットできたんだからさぁ!」

「自分でゆーかー?絶対落とせないよなぁコレ。」

「“えーちゃん”で入ってるはずだから!」

「なるほどね。」

「…ん?何このアドレス?」

伸治のアドレスを見たアンが首を傾げている。


「あー、実家にいた犬が、それぞれ死んだ日。忘れないようにと思って。」

「…まわりが覚える必要はある?」

「きっと喜んでるよ!アイツらも!」

「…。じゃあ、お休みなさい。」

「お、おう。」


アンが出て行ってから数分後、
さっそく、アンからのメールが届いた。


『今日はどうもありがとう。忘れられない誕生日のひとつになりました。ホント嬉しかったです。伸治くんの彼女が羨ましいぞ!いつも、こんなサプライズつきなの?』


いつに無い、しおらしい文面と、ソレを誤魔化したコメント。

(ふっ。アイツらしいな。)

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