着せ替え人形
20:00
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タクシーから降りて、私は約束の時間どおりに彼の家に到着した。
深呼吸をしてインターホンを押すとすぐに
上がって
という彼の声が聞こえた。
また今夜も彼に弄ばれるのか。
触れてくれるのは嬉しいけど…私には少し切なすぎる。
だから、
今晩でこの関係も終わりなんだから。
何度そんな風に思ってこのドアを開いただろうか。
結局その思いは、中に入ってしまえば忘れてしまうのも分かっているのだけど。
結局どうにも動けないでいる、中途半端な私。