着せ替え人形


「さっき着てたワンピース、持ってきて」


あ…いつものか。

そう思いながらおもむろに立ち上がると、
ドレスよりも深い赤色のワンピースを手に取り、彼に手渡した。


彼に背を向けて座ると、
背中のファスナーを下げられる。


上半身だけ下着だけという不思議な格好の私を、彼は後ろから優しく抱いてくれた。


「今日は余裕が無いから我慢してね」


耳元でそう囁かれ、首筋にキスされると、思わず少しだけ仰け反ってしまった。

「いい反応…」


嬉しそうにそう言うと、腰まで下ろされたドレスは床に落とされ、その代わりにもともと着ていたワンピースを彼が着せてくれた。


仕事が終わったあとはいつもこうして彼は私を着せ替えてくれる。


子供みたいで恥ずかしいけど、実際嫌いじゃない。


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