着せ替え人形


「おい…
分かってるだろうけど、今日の目的は写真を選ぶことなんだからな?
決まるまで飲酒は無し、いいな」


二人が何かを言う前にテーブルの上に先日撮った写真を20枚ほど並べた。


「わぁ…」


それを見て目を丸くする彼女。


「こんなに際どい状態だったんだ…」


まるで人事のように写真を眺める彼女を見て、少しだけ優越感を覚えた。


確かに写真を撮っているときの彼女は、派手な露出をしているわけでもないのに、普段の彼女とは思えないほどの色気を放つ。


それが俺の目指してるところと知ってるのかいないのか…
いずれにしろ俺の目は間違っていなかったらしい。


「さすがですね…」


高宮も想像以上の出来に驚きを隠せないらしい。


「あ…
まだ小説の内容も伺ってなかったから、ぜひ教えていただけませんか?」


純粋な奈津子の質問に、顔には出さないが心搏数は上がっていた。


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