着せ替え人形
「それじゃ、僕は写真も頂けたし失礼します」
そう言って高宮は立ち上がった。
目の前の食物にもほとんど手付けてないのに。
「お前…いいの?」
「ええ、彼女にあいさつもできたし。
まだ仕事も少し残ってるんで」
そういう彼の顔に迷いはないようだ。
逆にこっちのほうが動揺してしまう。
「お二人にはまた本が出来上がりしだい送らせてもらいますね。
領収書、書いてもらえればこちらで払いますから。
それじゃあまた」
言いたいことだけ言うと彼は部屋から出ていってしまった。