着せ替え人形

21:30



21:30


一度話しはじめたら、案外時間ははやく過ぎていたことに気付いた。


「そろそろ帰るか」


これ以上一緒にいたら自分が何をしだすか想像がつかないので、
目の前のグラスが空になったことを確認して、彼女に声をかけた。


「そうですね」


彼女の承諾を合図に立ち上がる。


会計を済ませて外に出ると、一気に冷たい風で酔いは醒まされた。

心地よい間隔をとりながら、二人で並んで駅まで歩く。


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